
ケント(以下K):まず今誰もが聞きたいと思っている質問だけど、クリス・ローガンに何が起こったの?
マイケル(以下M ):知らないんだ。僕は眠ってたからね。当事者じゃないのさ。何かが起きたんだよ。 僕のツアーマネージャーが片方の目に黒いあざを作ってやってきて、「僕はツアーから抜けるよ。君のシンガーに殴られたんだ。」と言ったんだ。てなわけさ。翌朝彼は医者に見てもらったようだ。クリスが酔っ払っていたことは知っているけど。僕のツアーマネージャーの目にあざができた。僕が知っているのはそれだけ。そして、クリスはバンドを去ると言ってきた。
K:彼は飛行機でアメリカの家に帰ってしまったの?
M:そのようだね。
K:いつかまたUFOに参加することはあるかな?
M:分からないよ。将来のことは見通せないからね。人生とは不思議なもので、理由はなんであれ予期せぬことが起こるものさ。だから僕はいつも自分の門戸を開いているのさ。僕は常に前進し、自分にとって意味のあることなら何でもやっていくだけさ。

K:ハードロック系のクラシックロックはまた大きな舞台に戻ってくると思う?
M:見当もつかないね。僕は消費者でも評論家の類いでもないから。現在のミュージックシーンを分析したりすることはないんだ。自分がやりたいことをやり、みんながロックし続けて欲しいだけさ。
K:君の新しいアルバム、えーとちょっと発音できそうも無いけど。。。
M:Arachnophbiac(アラクノフォビアック)だね。
K:そう、そのArachnophobiacだけど、力強いメロディーなんかは82年〜84年ごろの初期のMSGを彷彿とさせる作品だね。
M:僕は演奏するだけ。消費者とは全く違う形でアルバム制作に専念しているんだ。オーバーダビングがいつもより少なかったとか、過剰なプロデュースを控えたということが君のそうした感想につながっているのかもしれないね。分からないけどより基本に立ち返ったということかもしれない。正直本当に分からないよ。常に自分のやることをやるだけなのさ。いつもと違うことは何もしていないよ。僕はいつも僕のやり方でやっている。違いがあるとしたらバンドに参加している他のメンバーによるものだ。彼ら次第で結果も変わってくるからね。例えば、バナナを基本とするフルーツポンチを作るとするよね。そのバナナにイチゴとサクランボを混ぜ合わせるとある一つの味が得られる。でもイチゴとサクランボを取り出して、今度はマンゴーとパッションフルーツをバナナと混ぜ合わせると、バナナはバナナに違いないが、違う味わいになる。そんな感じだよ。
K:もうすぐ50歳になるけど、いまでもロックスターの気分?
M:自分がロックスターだと思ったことはないよ。僕はミュージシャンだ。僕はハートで演奏するタイプだし、自分が好きなことをやっているだけさ。僕の音楽は僕の情熱だし、神から授かったものだ。僕は単なる道具にすぎない。僕は生まれた時から持っていた可能性を発展させてきたんだ。それに常に認識し、発展させてきたんだ。基本的にはそんな感じさ。
K:そうするとステージ上で死ぬまでロックし続けるの?
M:そうだね。サッカー選手にならなくてよかったよ。何しろサッカーか音楽かだったからね。
K:それが子供の時の選択だったの?
M:そうそう。毎週末、土曜日と日曜日はサッカーか音楽のどちらかだったね。だから何をやりたいか決めなきゃいけなかった。6歳から11歳までの6年間サッカーをしていたけれど、その後、音楽の方に決めたんだ。サッカーだと制限がある。つまりそんなに長い間プレーすることが出来ないからね。

K:色々活発に活動しているようだね。新しいDVDのリリースもそうだし、歴代のMSGシンガー全員が参加するCDを制作するという話もあるね。それについて聞かせてくれる?
M:もちろん。これは1つの曲になるんだ。ボーカル以外はもう出来ているよ。あるスウェーデン人シンガーが、ちょっと待てよ、スカンジナビア人なんだけど、たしかフィンランド人だったような。それともスウェーデンだったっかな?今思い出せないな。とにかくそのシンガーが僕にデモを送ってきてね。彼はこうした企画にはうってつけの人物だった。コンセプトアルバムのような感じで、「Adventures Of The Imagination」のような一つの長い曲になる。その長い曲が色々展開して行くんだ。「Tales Of Rock’n’Roll」というタイトルになる。僕らは2分とか3分間のボーカルの空白部分を残し、そこにMSGの歴代シンガーのボーカルを入れてもらうんだ。でも基本的には(スカンジナビアの)彼が歌うんだ。現在彼は歌詞と歌メロを書いている。残すところは残して、あとは全部そいつが歌うんだ。その後、Robin McAuleyやKelly Keelingといった参加確約済みのシンガーに僕からアプローチするつもりだ。
K:グラハム・ボネットも?
M:そうそう。だけどメインボーカルは曲を書いている奴だよ。
K:フィンランド出身の?
M:彼がフィンランド人かどうかは調べなきゃいけないけど。いつもEメールでやりとりしているから、どこ出身か忘れちゃったよ。スカンジナビア出身なのは確かだよ。でもはっきりとどこの出身か分からない。
K:OK。彼があなたにテープを送ってくるわけだね。
M:彼は現在作業中で、僕にMP3を送ってくれて、気にいったかどうかとか、どこを修正したらいいかと聞いてくるといった感じで進めているよ。
K:なるほど。僕らが手にすることができるにはいつ頃?
M:1月2日にスタジオでボーカル録りをやる予定だ。
K:新しいギターを手に入れたんだね。その帽子にも書いてあるけど。

M:Deanだよ。彼らと一緒にマイケル・シェンカー・モデルに取り組んでいるんだ。このギターには今とても興奮しているよ。NAMMショーやフランフルトの楽器展示会などに行く予定なんだ。
K:あなたの白黒フライングVはロックンロールの「シンボル」だったわけだけど、ギブソンのギターをエンドースしたことはないよね。
M:ギブソンをエンドースしたことはないね。どのギターもエンドースしたことがないね。いや、かつて日本であるギターをエンドースしたことがある、良く覚えていないけどアリアか何とか言ったね。でもすごい昔の話だ。80年代初めじゃなかったかな。でもギブソンについては、エンドースしたことはないね。
K:ギブソン側からエンドースについてアプローチはなかったの?
M:彼らにはそんな必要が無かったと思うね。なにしろみんな僕が弾いているのを見ているから、「おい、我々は何もする必要ないよ。何もしなくてもマイケルがやってくれるからね。」って感じだろう(笑)。
K:そうすると、ギブソンのフライングVを多数売るのに貢献してきたと思う?
M:その可能性はあるね。(笑)
K:あなたには僕みたいな熱狂的ファンが沢山いるけれども。
M:そうだね。そうしたファンが僕にとって一番大事なんだよ。僕はそうしたファンのために演奏しているんだ。
K:今まで自分のことを「ギター・ゴッド」とか「ギターヒーロー」と感じたことがある?
M:ないね。僕が分かっていることは、自分はやりたいことをやり、自分の作ったものを聴くのが好きということだ。僕がやっているすべての事の背景に何らかの繋がりがあると感じている。それは単なる物じゃなく、もっとエモーショナルなものだ。
K:ロックンロールはあまり聴かないと言ってたね。
M:どんな音楽も聴かないよ。もし誰かがラジオをかけていればそれは構わないけど。自分一人でいる時は、働いているか、曲を書いているんだ。どちらかというとテレビを後ろでかけている方がいい。そういう風にしているね。曲作りや音楽制作にあたっては、インスピレーションを得るためには他の音楽ではなく自分自身の音楽を聴くんだ。
K:自分自身の中に音楽が十分あるということだね。
M:僕の中には泉のようなものがあるんだ。そこからインスピレーションを得ているんだ。
K:でも何か元になるものがあったはずだよね。子供の頃はどんなものを聴いてた?

M:僕はいきなりジェフ・ベックなんかに飛んじゃったんだ。幼いころは、ラジオでかかっていたものは何でも聞いていたけどね。僕が9歳の時だから64年だね。そのころラジオでは何がかかっていたかな?えーっと、ローリング・ストーンズ、ビートルズ、とかなんでも。シャドウズもそうだ。シャドウズからは幼いころに大きな影響を受けたね。僕が14歳の時、始めて本当に良いディストーションのかかったギターを聴いたんだ。ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジのね。この3人が僕のお気に入りだった。少し後になってマウンテンのレズリー・ウェストを聴いた。彼は驚異的だったよ。
K:あなたはアルコールなどの問題を抱えていたという記事を読んだことがありますが、今日の調子はどう?
M:とてもファンタスティックだよ。
K:あなたは有名な白黒のギブソンのフライングVを売ってしまったけど、手放すのは辛くなかった?ギターのことを自分の親友のように思ってる?
M:そんなに強い結びつきは感じていないね。今まで色々なギターを弾いてきたし。最近スタジオに入る機会がとても多いけど、他人のフライングVも色々弾いているよ。どれもいい感じだったよ。だからあまり心配していない。ギターは原子力のようなものだと思っている。良いことにも悪いことにも使えるんだ。つまり僕がギターを持って君の頭をぶん殴ることもできるし、音楽を奏でることもできるのさ。つまり、ギターっていうのは、まさにそれで何をするかということさ。自分の確固たるスタイルを築いている人だったら。。。例えば、僕のギターを弾くことができる人がいても、そのサウンドは僕と同じにはならないかもしれない。それはただギターの音に聞こえるだけだ。だから、そこに自分自身のパーソナリティを入れてやる必要がる。パーソナリティがあるならば、あるいはスタイルを確立する必要があるならば、それはどんなギターを使っても出てくるものさ。
K:どんなギターを使ったとしても、あなたが弾くとマイケル・シェンカーの音になるってことだね。
M:まさにそういうことさ。
番外編
インタビューが始まる直前のマイケルの発言、「ちょっと待って。曲のアイディアが浮かんだんだ。書き留めなきゃ。僕の脳はコンピュータみたいなもんで、ディスクが一杯になったら空にしなければならないんだ。僕の頭の容量は100MBしかないからね。」
また、マイケルの新しいDeanギターはオリジナルのDeanを改変したもので、ギブソンのコピーではない。限定版のマイケル・シェンカーモデルはDeanギターではあるがマイケルのニーズに合わせるべく改良されている、と語ったそうです。
Kentによると、マイケルは彼が会った中で一番ナイスなロックスターで、礼儀正しく、親切で、忍耐強いということを付け加えたい、とのことです。
このインタビューを音声で提供してくれるとともに当ウェブサイトでの公表ならびに文書化を快く許諾してくれたKent Andersson氏に改めて御礼申し上げます。また、当ページの立ち上げにあたって多大な支援を提供してくれたMakiさんにもこの場を借りて御礼申し上げます。